地中熱ヒートポンプ導入事例 [公共施設] 東川町の取り組み

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全戸オール地下水のまち
北海道東川町がとりくむ 次世代エネルギー

東川町のとりくみについて熱く語って下さった長原淳副町長

北海道のほぼ中央に位置する東川町は、中核都市旭川に隣接する一方で、北海道最高峰旭岳を筆頭に、2,000m級の山々がおよそ50kmにもわたって連なる山岳国立公園を町内に有する自然豊かな町です。この町には上水道がありません。すべての町民が「地下水」で生活しています。この「地下水」は大雪山連峰の雪融け水が大地にしみ込み永い年月をかけて流れだしたもの。まさに天然のミネラルウォーターです。豊かな水を育む豊富な森林資源と、優れた自然の景観は、観光資源としても高く評価され、すそ野に広がる水田地帯は上川百万石といわれる穀倉地帯を形成しています。町づくりにも特徴があり、ユニークな子育て支援や、「写真の町宣言」などで注目を集め、このご時勢に人口が増えていることからも暮らしやすさが伺われます。また、東川町では、この「地下水」を冷暖房どちらにも対応できる次世代エネルギーに活用しています。

「地中熱」を「地下水」でくみ上げるという発想

行政にとって公共施設の熱源をどうするかというのは大きな問題です。立派な箱物をつくったはいいが、肝心の熱源を重油や灯油といった限りある化石燃料に頼る時代ではありません。東川町国際交流会館の建設にあたり、わが町にふさわしい再生可能なエネルギーを考えた時、「地下水」以外に考えられませんでした。幸い、水流量も豊富で、地下水位も高いのは既に調査済でしたから、地下水で地中熱をくみ上げる「地中熱ヒートポンプ」工事が最適だと確信したんです。住民の飲料水に影響がでない工事を可能にするには、サンポットさんのアドバイスが必要でした。

東川町国際交流会館と東川町農村環境改善センター外観

現在、東川町国際交流会館と東川町農村環境改善センターに「地中熱ヒートポンプ」を導入しています。館内には、エネルギーの使用状況が一目でわかる制御盤を設置し「みえる化」を実現しました。グラフや図を多用し、小学生でもわかりやすい画面だと思います。この建物は、管理している教育委員会も入居している公民館です。年代を問わず多くの人が出入りするロビーに制御盤を置くことで住民の環境意識を高める目的もあります。

建物を管理している教育委員会の室内にモニター付操作盤を設置
多くの人がいきかうロビーにはモニターを2ヶ所設置
モニターを設置することで地中熱エネルギー使用量の「見える化」を実現

民間住宅や農業にも
地中熱ヒートポンプの導入を

現在のところ、マイナス3℃の送り水が地中熱で温められて10℃で戻ってくるなど、成績は上々。まずは公共施設で2年間データをしっかり取り、効果を確かめた上で公営住宅への導入を検討しています。その後は、民間施設や一般住宅にもオール地中熱を推奨していきたいし、補助金も出したい。まだまだ、初期投資がかかるシステムですから、何年で投資が回収できるのか、町民の皆様に費用対効果をわかりやすく打ち出す必要がありますからね。
また農業への活用も考えています。米がおいしい東川町ですが野菜の美味しさも格別です。地中熱ヒートポンプでハウスの温度管理ができるよう、サンポットさんの協力を得ながら調査を進めています。季節を問わず野菜が安定供給ができれば、経営も安定し農家の後継者育成にもなりますから。ただ、農家の息子のユーターンは毎年コンスタントにあります。よその土地にいって初めて、東川町がいかに恵まれた環境かを再認識するのでしょうね。

屋外の専用施設に格納されたヒートポンプユニット

地下水と共存しながら
町民の暮らしを快適にサポートしていきたい

「地下水のまち」としてこれからも地下水の恩恵をうけながら、地中にあるエネルギーを上手に活用し、地下水と共存した町づくりをしていきたいですね。 古くから「写真のまち」としてのとりくみや、大雪山と温泉の観光資源もあって交流人口も多く、子育て支援策も功を奏して、移住してくる方も一定数います。おしゃれな木工家具や雑貨、喫茶店の新規開業も目立ち、北海道ではめずらしく人口が増えている町として注目を集めています。
自然環境と寄り添い町民の快適な暮らしを支えるためには次世代エネルギーが必要不可欠。東川町の豊かな地下水を活用し、安全でクリーン、再生可能な「地中熱エネルギー」の普及に尽力したいと考えています。

長原副町長、ご多忙中、気持ちよく対応してくださり有難うございました。