地中熱ヒートポンプ導入事例 [公共施設] 留寿都村の取り組み

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こどもたちの未来を育む
ローエネルギーの複合施設

お話を伺った場谷常八村長

北海道留寿都(ルスツ)村は、アイヌ語の「ル・スツ」(道が山のふもとにあるという意味)から名付けられました。道内一(ゴンドラ・リフト合計17基、全37コース)を誇るスキー場や遊園地・ゴルフ場を有する「ルスツリゾート」が有名です。ニセコと並んで冬のリゾート地として人気エリアですが、本来の姿は、畑作中心の農村で、じゃがいもや小麦、ビート、大根等の畑が広がる風景はまさに圧巻です。小さい村ならではの「心あたたまる福祉の村づくり」・子どもも大人も学びを楽しめる「生涯学習の村づくり」をモットーにする留寿都村「るすつ子どもセンターぽっけ」が開設されました。

地元の木材に囲まれた
ぬくもり空間を提供

事の発端は築37年を経て老朽化した保育所の建替えでしたが、保育所だけでなく、小型児童館、子育て支援センター、放課後児童クラブを併設することで、子どもたちが利用しない時間には地域の人達も利用できる施設となっています。
建物構造体全てに北海道産カラマツ集成材を使用し、フローリング材の一部には留寿都産の木材を使用しています。利用者からは「木の香りが良い。」「木造で天井が高く開放感がある」「フローリング床で子どもたちは裸足で走り回ることができる」などのびのび健康的に過ごせることが好評で、地中熱ヒートポンプによる蓄熱床暖房と合わせて地元の自然のぬくもりを感じることのできる地産地消の児童福祉等の施設となっています。

図書室
保育所遊戯室
児童館遊戯室
子育て支援センター
外観
保育所

従来型施設に比べ
一次エネルギーを48%削減

保育所の建替えにあたり、一般的なシステムと、今回のシステムを導入した際の一次エネルギー消費量の比較検討を行いました。その結果、従来システムの約48%減となった、サンポットさんの地中熱ヒートポンプシステムの導入に至りました。館内の暖房設備は地中熱を利用したヒートポンプと、アースチューブ及び全熱交換型換気扇を導入し、暖冷房のエネルギーを大幅に削減、給湯の補助機能として太陽集熱器を採用、空気熱、太陽熱の再生可能エネルギーを最大限に活用し、ローエネルギー化を実現しています。

地中熱ヒートポンプ

Jクレジット登録による
二酸化炭素削減の見える化

再生可能エネルギーである地中熱を導入したことで、国が定めるJクレジットへの登録が認証されました。これにより、削減した二酸化炭素量をクレジット化して、他の場所で使用してもらうことが可能になりました。自分たちが過ごす施設が低炭素社会へ貢献していることは、子ども達への教育にも役立ちます。子どもたちの今と未来のために、自然な形で環境教育ができればと考えています。

場谷村長、お忙しい中ありがとうございました。